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今月のお題「宮沢賢治大発見」 [きゅ~め~る今月のお題]

過去およそ5年続けてきた「きゅ~め~る配信日に劇団員が同じお題を書く!」っていうならわし。
今回は5年間のなかで最も萌えるお題だ。『宮沢賢治大発見』。

シアターキューブリックの誰かからオススメの賢治さん作品を指定され、
それを薦められたメンバーが、その作品について語るというルール。
僕は市場法子から。オススメの作品は【なめとこ山の熊】!!
市場法子は大の猫好きだから「どんぐりと山猫」か「猫の事務所」が来るかと思っていた…。

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さて『なめとこ山の熊』。
僕はこの物語を読んでから、シラスを一匹残さず食べるようになった。
お茶碗のなかにシラスが一匹残っていたところで、パッと見食べ残したふうには見えない。
けど、人に食べられるために死んでくれた魚くんがまだ残っているじゃないか。

それまで、動物園で見る動物たちと、自分が口に入れる肉や魚は、僕の中では全くの別物だった。
けど実際には、自分が毎日当たり前のように生きているのと同じように、
僕が食べている肉や魚も、牛さんや鳥さんや魚さんとして当たり前のように生きていたんだ。
そして、当たり前に生きていたのに、自分たちより強い誰かのためにある日突然殺される。
このお話の「小十郎」のように、生活するためにそれらの命を殺さなければいけない誰かがいて、
そのおかげで僕は、自分の手を汚さずに他の命を食べて明日に希望を抱いている。
今日だってそうだ。「カレーはやっぱりビーフだなあ」とか言って馬鹿みたいに生きている。

僕は猟の仕事をしていないから、なめとこ山の熊たちに出会うことはないだろう。
けれども彼らのような命を戴きながら、明日を生きようとしていることはどうか忘れないでいたい。
そして、みんなの代わりに他の命をなくす仕事をしている人たちがいることも感謝しなければ。

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「いただきます!」と「ごちそうさま!」。
ごはんを作ってくれた人に対してはもちろんだけど、なめとこ山の熊の命たちを思いながら。
そうやってごはんを食べれば、僕のなかに流れる血も、
今より少しはあたたかくなるんじゃないのかなと思う。

ちなみに。

このお話のなかに出てくる「鉛の湯」という場所。
これは花巻温泉郷にある「鉛温泉」。かなりオススメの秘湯です!!
賢治さんのお話を思いながらの露天風呂っていうのはいかがでしょうか。

はあ~~、いつになく熱く語ってしまいました。
『葡萄酒いろのミストラル』は、特に賢治さんの何かのお話をベースにしている訳じゃないけど、
賢治さんのいろんな作品のエッセンスを散りばめていて、
なおかつ作品全体も、不思議と賢治さんの作品のようなツンとする北の風の匂いがする作品。
皆さんもあらためて宮沢賢治さんのお話を読んでみてください。
子供の頃に読んだ感覚とはまったく違う世界を楽しめると思います!

さて。僕は、制作の柴崎貴子ちゃんにオススメのバトンを渡しています。
ぜひ、みんなのブログも覗いてみてね!みんなのブログは劇団HPトップから!
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